せっかく映像はHDになったのに音声がHDじゃないのはもったいない件
「ウォークマン」を切り捨てる程のソニーの「本気」を見た。まさかの競合iPodシリーズ専用機
'PHA-1' 〜SONY〜 ついにソニーも「本気」のポータブルヘッドホンアンプ(略してポタアン)を出しました。 ■以下ポタアンって?という方の為の説明―― よく音質を改善するために良いヘッドホンに替えるのが手段としてありますが、更に根っこの(音楽データから実際の音の波型に変換する)部分を改善する手段として使われるのがポタアンになります。大きく「DAC」と「アンプ」に分かれていて、そのうち |
▲ iBrrで操作中の図 |
「DAC」はデジタルデータからアナログ(音の波型)に変換する役割。「アンプ」はその波型の増幅を行う役割を持っています。 「DAC」は音楽が鳴る(スピーカーやヘッドフォンジャックが搭載されている)デジタル機器なら全て持っている機能で、性能によって音質が左右されやすいものです。小型プレーヤーや「音楽再生」を専門としない機器には小型化・省電化や安価で底々な性能のものが使われているので、これを置き換える事により改善するわけです。 レコードを聞く人が「CDの音質が悪い」とよく言われたりします。アナログの音楽機器は記録媒体の原子レベルで表現できる為、滑らかなのに対し、CDはデジタルデータをアナログのように「再現」しているまでで、音の波型は「wwwww」(←PCで見てね)の様によく見るとカクカクしています。 音の波型というのは少しでも変化すると音色まで変わってしまうので、カクカクを滑らかに再現するのがDACの腕の見せ所になります。 デジタルからアナログへの変換もシンプルに思えて実は奥が深いものです。DACの性能を実際に改善するには、音楽のデジタル出力ができるデバイス(iPhone等)からUSBや光デジタルを経由する為、対応機器が狭まってしまいます。 ※――■ 説明も一通り終わりまして・・ なぜに「本気」かといいますと、ソニーの主力ポータブル音楽プレーヤーといえば「ウォークマン」で有名ですが、そのウォークマンを否定してでも実現しようとしたところ。(実質全否定ではないですが・・)これほどまでに・・と心動かされました。 否定というのも、「ウォークマン」はデジタル出力を持っていない為、要(かなめ)となるDACが利用できないのです。 実質競合のiPhone(iPod)シリーズ専用となったPHA-1ですが、お古のiPhone(買取ってもらってなかった・・)を利用して再生機を構成してみました。「iBrr」というアプリを使って、現行iPhoneからお古を操作しています。普通のリモコンと違ってプレイリストから再生できるそうなのですが、プレイリストを通信するとアプリが落ちるので、結局役に立っていません・・ ※以下比較レビューでは無く一般的なポタアンの印象です。 本題の音質ですが、素人耳でも「イイ!」と思えます。よく同ランクのポタアンは聞き分けられない程変わらないと言いますが、ランクの違いは聞き分けられると思います。 カバンに入れられるのであれば、PHA-1はコストパフォーマンスの良い賢い選択かと思われます。 レビューにもよく聞く「懐の深さ」。デジカメで言うと明るすぎる所は白く潰れて、暗すぎる所は黒く潰れたりする様に、音楽でも高音域・低音域は潰れたように平坦に(耳の真横で音場が変わらない様に)聞こえます。 音の波型がカクカクということは横軸の密度=高音と、縦軸の密度=低音の再現性に大きく影響するので、性能を1ランク上げることにより、高音も低音の抑揚もより細部まで、より立体的に聞こえます。 「低音を使う音楽を聴かない」「高音って重要なの?」という意見もありますが、ほとんどの音楽は低音・高音を併せ持っていて、低音高音の抑揚がハッキリ聞こえることにより音楽を生で聞く様な「迫力」を感じられます。 実際聞いて特に印象に残ったのが、スラップバスの音色です。スラップバスはバスの低音と破裂音の高音を併せ持ち、高低の抑揚が激しい音色です。T-SQUAREさんのEXPLORER(GRAVITY)や菅野よう子さんのGET9(攻殻機動隊SAC2ndGiG)の導入等(趣味偏ってますが・・)共通して奏者の指の滑りが意識せずに感じられるぐらい聞こえ方の印象が変わってきます。 |